ゴールデンウィーク始まりましたが、予定した公式戦・練習試合が中止となっております。仕方なく、初日の昨日はアカデミー賞を取った「ノマドランド」を観てきました。ハリウッド映画としては珍しくドンチャン騒ぎや一発逆転のない映画でした。映画評論家ではないので批評はできないですが、開発主義、自然、人生、マイノリティなどいろいろと考えさせられる映画ではありました。大学の授業では、スポーツに関する映画やマンガを題材に授業することがあります。サッカーマンガの定番「キャプテン翼」を取り上げることもあります。「キャプテン翼」以前のスポーツマンガはいわゆる「スポ根」ものでした。高度経済成長という時代背景のなか、「弱者が強者を打ち負かす」「貧乏からの脱却」「才能よりも努力」などがテーマとして描かれていました。「巨人の星」「明日のジョー」「エースをねらえ」などがそうです。その画一した「スポ根」マンガのあり方とは全く逆のスポーツマンガとして登場したのが「キャプテン翼」でした。死ぬほど努力した小次郎に笑顔の翼が勝ってしまうのです。「笑顔」「楽しさ」「友だち」がキーワードとなり「スポ根」とは一線を画したマンガが登場したのです。これは、もちろん当時の豊かになった生活やスポーツの捉え方の変化を映し出すものですが、私はそれ以上に、そのスポーツが「サッカー」であったことが重要だと思っています。「キャプテン翼」には主人公の翼以外にさまざまなプレイヤーが個性を持って登場します。石崎君、若林、岬、小次郎、三杉・・・数え切れません。読者はそれぞれの個性的なプレイヤーのファンとなります。もちろん翼が一番人気ですが、性格やプレースタイルに魅かれお気に入りの選手(登場人物)を見つけることができます。これは他のスポーツではあまりないことだと思います。サッカーでは選手の身体的、心理的特性に応じて「自分のプレー」(ポジションではなく)ができ、それを武器に戦えるのです。そのサッカーの魅力を十分に打ち出したのが「キャプテン翼」だったと思います。その後、「エリアの騎士」「ファンタジスタ」「シュート」「DAYS」などさまざまなサッカーマンガが刊行されています。たまには、親子でサッカーマンガ談義するのも良いかもです。